近年、少子化による大学受験人口の減少で志願者数が減り、「大学に入りやすくなった」といわれています。しかし、難関大学など、受験生に人気の高い大学は依然として激戦。大学入試の「広き門」といった情報に惑わされることなく、効果的な併願作戦を組むことが重要です。そのためには、正確な情報に基づく検討が必要です。
受験勉強のスタートにあたっては、できるだけ「国私(国公私)併願」で取り組むようにしたいものです。国公立大から私立大への志望大学変更は、入試科目の点から問題はありませんが、逆のケースは難しくなってきます。
入試では、自分の実力よりも難易度が高い大学ばかりを受験するのは大変危険です。自分の志望にあった大学・学部について、難易度に幅を持たせて受験校を選ぶことが重要です。チャレンジ校、実力相応校、合格確保校とバランスよく受験することが大切です。
受験のピークを第一志望大学の試験日に合わせて設定することが大切です。試験場に行ってみると普段とは違う雰囲気や緊張感で、本来の実力が発揮できないということも考えられます。最初の試験で第一志望大学を受験するのではなく、何校か受験をし、試験の雰囲気に慣れてから第一志望大学を受験するようにしたほうが良いでしょう。また、早いうちに合格校をひとつ作っておくと、気分的にも余裕が出てきます。易しい大学から受験し、第一志望大学受験に向けて弾みをつけましょう。
私立大学の場合、2月から本格的に入試が始まります。受験は、試験会場への移動や試験の緊張感などで、 想像以上にエネルギーを消耗します。疲れがたまって自分の実力が発揮できないようでは意味がありません。 入試と入試の間はできるだけ2〜3日開けるようにしましょう。
私立大学では、多くが入学手続として一次締切で入学金を納入し、後に初年度の学費を入金する形式になっ ています。しかし、入学金だけでもかなりの金額です。なるべくなら、お金をかけずに志望大学に合格したい ものです。そこで、志望順位の高い大学の合格発表日よりも、志望順位の低い大学の手続締切日が後になるよ うに工夫すれば、手続には必要最低限の金額だけで済みます。受験校の入学手続期間は必ずチェックし、無駄 な入学金は払わないで済むよう日程を工夫しましょう。
併願校は、第一志望大学の入試科目に合わせて大学・学部を選ぶことが基本です。入試科目を揃えることにより、負担が軽くなり効率的に学習が進められます。
また、入試科目だけなく、出題傾向や解答形式にも注目しましょう。問われる知識のレベルや、範囲・分野などが似ている大学を受験すれば、対策も立てやすくなります。解答形式もマーク式か、記述式かによって対策が変わってきます。志望校合格には、各大学の出題傾向に即した対策が必要不可欠です。
センター試験は国公立大学を志望する受験生にとっては、入試の第一関門であり、この試験の結果によっては、出願する大学の変更も考えなくてはなりません。しかし、センター試験の結果を見てから受験校の変更等を考える時間的余裕はありません。2次試験に向けてしっかりと学習時間を確保するためにも、あらかじめセンター試験の結果をシミュレーションしておくことをお勧めします。目標点を大きく下回った場合、の3パターン程度を想定し、それぞれの場合、どこの大学に出願するか決めておきましょう。ただし、センター試験の難易度は毎年大きく変わります。したがって、例えば、自分が目標点を取れなかった場合、それは問題が難しかったからなのか、自分の実力を発揮できなかったからなのかを、平均点等のデータから冷静に判断することも大切です。なお、すべてのシミュレーションにより出願の可能性のある国公立大学の願書はセンター試験前に入手しておく方が無難です。
大学に毎日長時間かけて通うのは決して楽なことではありませんし、自宅外通学をする場合は、学費のほか に家賃・光熱費等生活費の負担も大きくなります。しかし、大学生は半独立期。親から精神的に自立するための重要な準備期間ですから、家を出て、寮や下宿生活をすることが理想です。地理的、経済的な条件などは家族の方ともよく相談した上で決めましょう
いろいろな条件を挙げてきましたが、最も大事なことは、あくまでも第一志望大学にこだわることです。進学率は上昇し、誰もが大学に行く時代となってきました。大学を出てさえいれば将来がある程度保証された時代は終わり、どこの大学で何を学んだかということが問われる時代となっています。
このような時代だからこそ、自分の将来の進路や学びたい分野を真剣に考えた上で、「本当に自分が行きたい大学・学部」を目指すことが大切です。
併願校も、最終的に「自分の志望にかなっているかどうか」を考えて選択することが重要です。模試の合格可能性等に左右されすぎて、自分の志望から大きくはずれることのないようにしましょう。
文部科学省発表の「学校基本調査速報」によりますと、平成19年の平均併願校数は5.20校(現役4.49校・浪人9.49校)でした。併願校の数は、この調査結果に近い6校程度を目安にするといいと思います。
その6校の中身ですが、基本パターンは以下で解説します「チャレンジ校1・実力相応校3・合格確保校2」。これを参考に、自分の志望やセンター試験の自己採点結果などによってアレンジするといいと思います。
■A チャレンジ校(目標校)1〜2校
現時点で合格可能性30%〜40%程度の大学。
確実に合格できるとは言えませんが、このレベルの大学を第1志望校にして攻める決意が受験の成功につながることも多くあります。この時期にE判定(20%以下)でも、逆転合格を果たす受験生も毎年少なからずいます。
■B 実力相応校 2〜4校
合格可能性50%〜70%程度の大学。
第2・第3志望校はこのレベルの大学から選ぶのが基本ですが、国公立大志望者で激戦となる私立難関校を"準第1志望校"にする場合などには、念のため他の1〜2校を合格可能性60%〜70%の大学にするとよいでしょう。
■C 合格確保校 1〜2校
合格可能性70%〜80%以上で、普段通りの実力を出せば合格は間違いないという大学。
合格したのがこのレベルの大学だけという場合でも、“入学してもいいと思える大学”を選ぶことです。受かっても入学する気がないのでは受験する意味がありません。
国公立大志望者には、前期・後期とも可能ならば同じ大学・学部を受験したいという人も多いと思います。しかし、近年は後期日程を廃止したり、募集人員を圧縮する大学が増加しています。こうした場合は、私立大の"準第1志望"的な併願校を増やすなどの対策を練りたいものです。また、センター試験後、その結果によって、併願プランを練り直さなければならないケースもあります。センター試験のあと2次試験出願締切りまでは2週間程度しかありませんので、センター試験の成績別の出願パターンをあらかじめ考えておきましょう。