面接がもっとも必要とされているのが推薦入試です。現在、4年制大学で定員の5割をしめ、推薦入試による入学者数は年々増加し続けています。推薦入試の実施大学数は近年やや減少気味ですが、定員は増加しています。推薦入試の実施大学数の減少も、AO入試への転換によるものであり、多くのAO入試で面接が重視されていることを考えても、面接の重要性は高まる一方です。
大学が面接を課す一番の理由は、成績や学科試験だけでは解りにくい、本人の意欲や目的意識などを見極め、大学や学部の方針に適応する、より優秀な学生を確保したいことがあげられます。特にAO入試では、志望理由書や小論文と並んで、面接が中心的な役割を果たしています。面接を複数回行って受験生の資質を見極める大学もあり、面接への備えは多くの受験生にとって必須のものと言えます。
| 一般入試 | 23万6600人 | 49.60% |
| 推薦入試 | 19万8100人 | 41.60% |
| AO入試 | 3万9000人 | 8.20% |
面接試験は、個人面接とグループ面接と呼ばれる形式で実施されます。個人面接は、受験生1人に対し、1人、ないしは複数(2〜6人)の面接担当者で行われます。グループ面接は、受験生2人〜多数で行われます。
1.個人面接
受験生1人に対して、面接担当者2〜3人というのがほとんどです。時間は5〜30分程度。
複数の面接担当者が受験生1人を評価するため、回答について、複数の視点で疑問を提示されたり矛盾を指摘されたりすることになります。面接担当者の中で役割分担し、質問をせず観察のみを行う面接担当者がいる場合もあり、態度や言葉遣いなど隅々まで目が届くということになります。
2.グループ面接
受験生3〜6人程度に対し、面接担当者2〜4人程度で行われます。時間は20〜60分程度。
同じ質問に対して1人ずつ答えていったり、あるテーマについてグループで討論したりする形式が多いです。同じ質問に1人ずつ答える場合は、受験生の反応が比較されます。同じ質問を全員に答えさせるだけでなく、ある質問に対し挙手させて答えさせるような場合もあります。そのような場合は、積極的に挙手して答えるようにしなければなりません。討論などにおいては、集団の中での振る舞いもチェックされています。
1.面接試験
ペーパーテストでは計れない部分を計る試験であって、受験生の人柄や個性、バイタリティーを判定する試験です
2.口頭試問(口述試験・口述試問等)
学部学科に求められる基礎的な学力や発想力を確認するための質問をする試験です。たとえば、外国語学部や英文学科などでネイティブスピーカーとの英語の問答が行われたり、理系の学部・学科で、提示された問題について解答を求めるプロセスを問われたりします。あらかじめ小論文を書き、その内容についての質疑応答を課す場合もあります。
3.面談
3者面談や個別面談でおなじみの言葉です。一方的に大学側が審査をするというより、受験者と大学のお互いがよく理解し合い、相談する試験のことをさします。
●下調べを忘れずに
面接と面談と、字を読み間違っていませんか?先輩から口頭試問のアドバイスを受けていませんか?面接試験を全て同じものと考えてしまい、いざ受けて見ると難しい質問をされ、終了後、願書を調べてみたら口頭試問だった、なんてことがよくあります。十分に下調べをしてください。
大学受験の面接試験では、学科試験では計れないものを読み取る試験になります。その主なものは、志望学部への適性や目的意識、社会的関心、やる気、学則を守れるかなど、大学で学ぶための適性がチェックされます。これらに対し、自分の意見を言うのは当り前ですが、それ以前に言葉づかい、態度、品性、やる気といったものを面接担当者はつかもうとします。
志望理由や学びたいことについての質問や、その学問に対する興味の深さ、考え方、基礎的な知識を問う質問を通して、学ぶことへの意欲や目的意識、学部・学科への適性を見ます。
また、高校での勉強や活動、その他の実績についての質問を通して、入学後その学部・学科で意欲を持って努力し、勉学に取り組む能力や資質を見られます。
すべての質問への回答において、質問者の話をきちんと聞き取り、質問の意図を正しく理解し、筋道を立てて考え、自分の言葉で表現できるかどうかが見られています。最近では、読み書きの基本的な能力の低下が問題になっていますので、面接でこうした能力を重視する大学も増えてきています。
グループ面接や討論では、周りとうまく協調しながら、自分の意見も主張できる積極性や、討論をまとめる意見を述べてリーダーシップをとれるかなども見られています。リーダーシップにこだわりすぎて強引に意見を通そうとしたり、他者の意見を無視するような態度は、協調性に欠けていると判断されてしまいます。集団の中でのバランスのよいコミュニケーション力が求められています。
●話し過ぎに注意
饒舌な人ほど面接で話し過ぎてしまいがちです。余計なことまで話してしまって、面接担当者に悪い印象を与えてしまうことがあります。饒舌な人は自分のアピールに必死で、空気が読めない場合がよくあります。面接はコミュニケーションですから、一方的に自分の思いや考えを話してもダメなんです。相手の尋ねていることは何なのか、これを念頭に入れておかなければなりません。話し過ぎるために、話題がどんどんずれていっている人もいます。自分の言いたいことを言って、すっきりしてくる人がいますが、面接試験に合格するのが目的です、完全に勘違いしています。
どの大学でも聞かれる、よくある質問というのがあります。質問の内容が漠然としているのでポイントをおさえて応答しないと必ず突っ込まれてしまいます。また、全大学全学部共通して問われる志望理由など、事前に志望大学について研究が必要な質問もあるので、きちんと準備しましょう。抽象的な志望動機では相手にもしてくれません。
「どのようにして本学を知りましたか?」
「見学に来たことはありますか?」
「本学のどこが気に入りましたか?」
「なぜ遠隔地の本学を選んだのですか?」
「入学後は何をしたいですか?」
「入学後、サークルに入るつもりですか?」
「大学生活で(勉強以外に)何かやりたいことはありますか?」
「将来どのような職業に就きたいと思っていますか?」
志望動機は必ずといっていいほど聞かれます。「大学で何を学びたい」、「大学で学んだことを将来どのようにいかしたい」、「なぜこの大学・学部が自分に適していると考えるのか」などを明確に話しましょう。 「この大学のこんなカリキュラム(または教授陣)に興味がある」など、できるだけ具体的に答える必要があります。その大学や学部の教育方針やカリキュラムなどをしっかり研究しておきましょう。また、自分がその学部や学科に興味を持つようになったきっかけを、具体的に説明できるようにもしておきたいものです。
「高校時代に一番頑張ったことは何ですか?」
「あなたの高校はどのようなところですか?」
「高校生活で一番印象に残っていることは何ですか?」
「得意な科目は何ですか?苦手な科目は何ですか?」
「何に興味を持って、どのような高校生活を過ごしてきたのか」入賞・表彰などの成果が特になくても、課題や欠点を積極的に克服してきた経験を述べれば、アピールできるはずです。万一「○○の成績が悪いですね」などとマイナスな質問をされても、現在、苦手科目を克服する努力をしていることを具体的に述べましょう。
「あなたの趣味は何ですか?」
「最近、読んだ本は何ですか?」
「あなたの長所と短所を言って下さい?」
「特技は何ですか?」
どれも受験生の人柄を見る質問です。決まった解答などありません。趣味のような質問は、出願書類に書いてある内容を確認程度に聞いてきて、そこから話をふくらませようとして来る場合がありますので、あまり興味のない話題で嘘を書くと失敗する恐れがあります。正直に答えるようにしましょう。特に自らすすんで自分の短所を言い、反省したがる受験生がいますが、絶対に止めましょう。自ら自己表現をし、自分を売り込む能力が必要とされるのです。これはグローバル・スタンダードでもあります。
「最近気になったニュースは何ですか?」
「○○(例えば、介護のあり方)についてどう思いますか?」
志望学部に関連したテーマで、「どう思うか」、「どう解決すべきか」を問われたり、説明を求められたりします。例えば、社会学部系統であれば「少子高齢社会への対策」などで、これらは小論文のテーマとも重なります。学部系統に関連したテーマについては、新聞記事をファイルするなどして情報を集め、自分の考えを整理しておくことが大切になります。このほか、文学・芸術系で「好きな作家(音楽家)とその作品」、建築・デザイン系で「感銘を受けた建築物」などが問われることもあります。単なる好き・嫌いではなく、理由を含めてその魅力を説明できるようにしておきましょう。
ポイント1:「よく聞く。」
面接担当者の質問や、グループ面接の場合の他の受験生の発言をよく聞きましょう。面接の基本はコミュニケーション。コミュニケーションの基本は話すことよりも聞くこと。質問の意図をしっかり把握してから発言しましょう。わからないときは、「もう一度おっしゃっていただけますか?」「〜ということでしょうか?」などと丁寧に聞き返すように心がけましょう。
ポイント2:「はっきり、わかりやすく、簡潔に話す。」
聞き手にわかりやすく自分の考えを伝えるためには、自分自身の言葉で簡潔に表現すること。ニュースや本で見たり、聞いた内容をそのまま使うだけでは、面接担当者には不自然さを見抜かれてしまいます。また、事前に提出した「志望理由書」「自己推薦書」などの内容と矛盾したことを言わないようにも注意してください。これらの書類はコピーを残しておき、面接の直前に内容を確認しておきましょう。
ポイント3:「あきらめない。」
1つの質問にうまく答えられなかったり、グループ面接で他の受験生が鋭い意見を述べたりしても必要以上に気にしないことです。全てに完璧に答えられる受験生は少ないですし、動揺しすぎて次の質問にも答えられないなんてことにならないよう、必要以上に緊張したり、悲しんだり、いらいらしたりせず、気持ちを切り替えて次の質問に臨みましょう。
ポイント4:「しっかりと準備する。」
面接でよく問われる質問に対しては、明確に答えられるように準備して臨みましょう。ただし、ここで気をつけて欲しいことは、想定問答集を作って答えを丸暗記しておけばよいということではありません。実際の面接では、1つの質問と回答からどんどん話題が広がったり深まったりするものです。あらかじめ作られた回答でマニュアル的な応答をしても、面接担当者には見抜かれてしまいます。暗記するのではなく、あくまでも自然に自分の考えが伝えられるよう、自分の考えをきちんと広めて考え、しっかり整理しておくことが大切となります。
華美でなく、清潔感のある服装で臨んでください。制服がある場合は、制服を着用しましょう。アイロンがけはもちろん、ボタンが取れていないか、裾がほつれていないかもチェックします。茶髪、ピアスなどのアクセサリー、マニキュアなどの化粧は避けましょう。
大原則は「明るく元気よく」。面接官の目を見て、質問をよく聞き、はっきりと丁寧に話しましょう。語尾まで明確に話すことを心がけましょう。緊張すると早口になったり、小さな声になりがちなので、意識して少しゆっくり話しましょう。自分では「少しゆっくり過ぎるかな」と思う位の方が、聞く相手には好印象を与えます。
●第1印象は大事です
ある企業の人事担当者は言います「人の第1印象は会って3秒、話して30秒。」「必然的に第1印象でまずは学生を判断している自分に気が付きました。」
大学の面接試験でも、通ずることだと思います。知らず知らずのうちに人はその時の第1印象で1次的な判断をしているのです。面接試験という限られた時間の中で、学生(面接者)のことを知るには限度があります。面接担当者は学生を面接する時、第1印象のウェートが必然的に高まってしまうわけです。しかし、勘違いしてはいけません。第1印象が全てではないことを面接担当者は心得ています。第1印象が良いに越したことはないという話です。
第1印象を良くするための基本
1. 礼儀・挨拶!
2. 必ず相手の目を見て話をする!
3. 笑顔
4. 明るく元気よく!
5. 自信を持って!
普段友達とおしゃべりする時のような言葉ではなく、面接の場にふさわしい言葉遣いをしなければなりません。緊張すると、使い慣れていない言葉はうまく話せないものです。日ごろから、敬語など目上の人に対しての言葉遣いが自然にできるよう心がけておきましょう。敬語の使い方をもう一度復習しておきましょう。特に、尊敬語と謙譲語を混同しないよう注意しましょう。また、敬語の使い過ぎも嫌みな感じを与えることがあるので気をつけましょう。
●敬語の使い方一覧
| 普段 | 丁寧語 | 尊敬語 | 謙譲語 |
| する | します | される、なさる | いたします |
| くれる | くれます | くださる | ― |
| 思う | 思います | お思いになる | 存じます |
| いる | います | いらっしゃる | おる |
| 言う | 言います | おっしゃる | 申し上げる |
| 聞く | 聞きます | 聞かれる | 拝聴する |
| 見る | 見ます | ご覧になる | 拝見する |
| 行く | 行きます | 行かれる | うかがう |
| 来る | 行きます | いらっしゃる | 参る |
| 会う | 会います | 会われる | お目にかかる |
| 帰る | 帰ります | 帰られる | 帰らせていただく |
| 待つ | 待ちます | お待ちになる | 待たせていただく |
| 知る | 知っています | ご存知になる | 存じる |
| 読む | 読みます | 読まれる | 拝読する |
| 書く | 書きます | 書かれる | 書かせていただく |
| 送る | 送ります | お送りくださる | 送らせていただく |
| 食べる | 食べます | 召し上がる | いただく |
●改まった言葉遣い
| 普段 | 改まった言葉遣い |
| 僕・わたし | わたくし |
| 今 | ただ今 |
| 今度 | この度 |
| このあいだ | 先日 |
| きのう | さくじつ |
| きょう | 本日 |
| あした | みょうにち |
| さっき | さきほど |
| あとで | のちほど |
| こっち | こちら |
| そっち | そちら |
| あっち | あちら |
| どっち | どちら |
| だれ | どなた |
| どこ | どちら |
| どう | いかが |
| 本当に | 誠に |
| すごく | たいへん |
| ちょっと | 少々 |
| いくら | いかほど |
| もらう | いただく |
予想される質問に対して、もう一度自分の考えを整理しておきましょう。「志望理由書」など事前に提出した書類のコピーに目を通して確認し、面接・小論文のために集めた情報(新聞記事の切り抜きなど)にもざっと目を通しましょう。最後に、イメージトレーニングをしておくこともお薦めします。
忘れ物のないように注意するとともに、身だしなみは家族にチェックしてもらいましょう。
携帯電話の電源は必ず切ります。試験官が観察していることもありますので控え室などで、大声を出して雑談したりしないように。1〜2時間待たされることもあるので、面接・小論文のために集めた情報ファイルや当日の新聞などを持参して読むとよいでしょう。
緊張していたら、大きく深呼吸して心を落ちつけてから入室。元気よく挨拶しましょう。(※挨拶は伝えることを伝えてからお辞儀をしましょう。)緊張しない人はいません。周囲をゆっくり見回してみましょう。ほかの受験生もそれなりに緊張しているのがわかります。
「終了です。」と言われても、退室するまで気を抜かないこと。「ありがとうございました。失礼します。」と、しっかり挨拶して退室しましょう。
●お辞儀の仕方
面接では、入室・退出時、お礼を言う時など、お辞儀はつきものです。お辞儀は、角度によっても意味合いが違ってきます。ここでは、目安ですが角度によってのお辞儀の意味合いを紹介します。
会釈(15度のお辞儀):面接官など廊下などですれ違った時にする軽い挨拶。
敬礼(30度のお辞儀):入室・退出時の挨拶。
最敬礼(45度のお辞儀):面接時にお礼を言う時やお願いする時の挨拶。